少し前に行われた政府の調査によると、高齢者世帯において世帯全体の収入に対する公的年金の占める割合は68.5% 、つまり約7割です。残りの収入は労働によるものが約2割、その他が資産から入ってくるもの(例えば家賃収入)や子世帯からの仕送りだそうです。岐阜県では親世帯と同居している子世帯が全国的に見ても高い方とはいうものの、高齢者だけの世帯は着実に増加していますので、公的年金以外の収入手段を確保して、老後に備えた方が良いですね。(ちなみにあくまでも「平均値」ですが、高齢者世帯の所得は約309万円なので、公的年金を年間で210万円くらい貰っていることになります。結構多いですね。)

ところで公的年金の受給をされている方には毎年「扶養親族等申告書」という書類が送られてきます。(65歳以上の方で年間の受給額が158万円未満、65歳未満の場合は年間108万円未満だと送られてきません。) 『大したものではないだろう』と思って放置したらどうなるか、ご存知ですか?

答えは所得税の負担増!!!! 意外と知られていないのですが、この申告書を侮ってはいけないのです。まずは税率が一気に2倍になります。(5.105%⇒10.21%) そして控除額の計算方法も変わる(もちろん提出した方が負担は軽くなる)ので、これはもう提出しない理由がないくらい。

では実際にどのくらい変わるのでしょうか? 以下の条件で比較してみます。

  • 65歳以上
  • 年金収入180万円(月額15万円)
  • 社会保険料・・・年金から特別徴収された介護保険料および国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)の合計額=月額2万円
  • 控除対象配偶者なし

①提出した場合の源泉徴収税額(1か月あたり)

={15万円ー2万円ー(15万円×25%+6万5千円)}×5.105%

=2万7500円×5.105%≒1403円  年間で約1万6800円

②提出しなかった場合の源泉徴収税額(1か月あたり)

={15万円ー2万円ー(15万円-2万円)×25%}×10.21%

=9万7500円×10.21%≒9954円  年間で約11万9400円

何と差額は年間10万円以上! これが10年、20年と続いたらと思うとゾッとしますね。皆さん真面目な方ばかりなので出し忘れはないと思いますが、念のためご確認下さい。